合意の上ならそれもよし
「てめー、男の癖にマニキュアしてやがるな」 「わかるか?」 「軟弱。キモい。だれも見ねーよ。てめーの爪なんざ」 「ひでー」 ヤキモチならもうちょっとかわいげのある言葉でお願い。 まあお前らしいけど。 検分するようにオレの体を這っていた手がぴたりと止まる。 「いくら立派でも受け男じゃねえ・・・」 ため息までつくか!? 「女には使うし!!!!」 「てか、心底どーでもいいな、てめーの珍なんざ」 「酷!!!!!どーでもいいとかいいながらこの手はなんだ!」 「うるせーな。喜んでやがるくせに」 「お前、もうちょっと、ちょっとだけ、なんかあってもよくない?」 「なんかってなんだよ」 「行為の前に甘ったるい一言さ」 「キショ」 酷すぎる。 「どーでもよければてめーみてーなムサい男にこんなことするかよ」 「だから、言い様ってもんが」 「うるさい。行動でわかれ」 行動。行動ね。そりゃ触れてくる手や唇はやさしいけど。 まあこんな奴だってわかってたけど。はい、わかってました。 「じゃあわからせろ」 「命令すんな」 「わからせて。お願い」 オレって弱ッ。でもそれがかえって快感だったり。 だめだな。乱れてるな。オレってドMなのかな。今さらか。 「いい子じゃねえか」 年下の癖に何様オレ様のお前の前では カケラほどの自尊心なんていっそ捨てちまったほうがいい。 そのギラギラした目。舌なめずりしたそうな表情。たまんないんだもの。 「ご主人様って呼んでやろうか?」 「キモいんだよ」 だから、そうつれないこと言わないで。 メス犬にでもなんでもなるから、もっともっとオレを楽しませてよ。 |
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