愛のお授業 2


「紋武!尻ってそんなに広がるのか!?絶対切れそうな気がすんだけどよ!」

いくら男同士とはいえ、ちょっとくらいはオブラートに包んだらどうなんだろう。
オレ相手に恥じらいも遠慮も必要ないと思われてるのはわかってるけどさ。

「本格的にやるなら浣腸して広げとくんだけど・・・」

しかし、オレも律儀によく答えるよな。

「そこまでしなくていいな。風呂入った時に拡張しておけ」 
「どうやって!?」 
「だから、マッサージして指突っ込んで」

とんでもないこと淡々と言ってるよ。
また、目をキラキラさせながら子供の好奇心いっばいって顔で聞くなよ。

「あと、前立腺見つけておいたら全然違う」
「どこにあるんだ?」

さすがにこれはいかん。

「自分で確認しろ!ぱか」

なにが「ちぇー」だ。こっちが「ちぇー」だよ!

「もし入らなかったら、『兄貴のが大きすぎるから』と言って
口で出させてやれ」

フォローの仕方まで教えてやる。オレってほんと律儀。
と、ヤツが真顔になった。

「それはない」
「なに?」
「なんでもねえ!」
「もう手コキくらいやったのか?どうだった?」
「あ、うん・・・」

いつになく言葉を濁している。視線もなんとなくそらし気味だ。
 
「入りそうか?」
「・・・たぶん」

あまり深くつっこんで欲しくなさそうだが、そうなるとかえって聞きたくなる。

「そのへんは、問題ないと思う」 
「へぇ、普通サイズってことか」
「・・・・・・まぁな。お前のほうがデカい」
「へぇ」

付け加えられた一言に、ついにやりとしてしまう。

「なんなら、これで練習しとくか?」

もちろん冗談だったんだけど、やつはしごく真面目な顔で答えた。

「やりたいけど・・・」
「けど?」
「なんつーか、それやったらお前に溺れそうで・・・」

意外な、ものすごく意外な返事だった。

「きっとすげー気持ちいいんだと思う。だからこそ、今お前に溺れたくない。
対等でいたいんだ」

この言葉で、報われた気がした、喜劇的立場の今のオレ。
やばい、涙出そう。
あーあ、オレってばこいつに負けないくらい健気かもしんない。




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