SとMの事情


「クソメスブタ。てめーいるとクセーんだよ。側によるな」

おお、乙女よ。
つややかなその唇はキスされるためにあるのであって
汚い言葉を吐き出すためのものではない。

「脳みそ腐ってんじゃねーかド淫乱」
 
淫乱ね。はい淫乱ですよ。今日もやってきました。校内で。
どこでかわかる?美術室。あそこ穴場だわ。見つかったことねーし。

「心底どーでもいいな。てめーの下半身の事情なんざ」

そう言うなって。
それがさ、最近お前の顔思い出すと興奮すんのよ。
最中に。
そう露骨にいやそうな顔しなくていいじゃない。

「クセェって言ってんだろ!寄るな!」

ひでぇ。蹴ることないだろ。

「染み付いてんだよてめーの体に。キタネー情交の匂いが」

だから、乙女がそんな冷たい目で人を睨むもんじゃないって。
オレは好きだけどね、お前の目。
マジで軽蔑されてるんだなってぞくぞくする。
ぶっちゃけ、下手なプレイよりお前のその目のほうが何倍もクる。

「死ね」

酷いなぁオレお前のこと好きなのに。

まあオレってばドMだからその言葉もオカズにするけどね。
今日のお前も良かったぜ。最高だ。

この世で一番オレに冷たいお前が大好き。



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