茶越樽人の派遣組レポート


ハロー(今日はアメリカン。ちなみに「アロー」はフレンチ。
おフランスではHは発音しないんだよ。
いかにもHなことが嫌いな茶越くんらしいでしょ?)、
みんなのアイドル、茶越くんだよ☆

今日は派遣組に聞き込み調査にやってきたよ。
なんでも、ヤバい噂が流布してるんだって。
どんな噂かな??大体想像つかないでもないけど・・・したくないからしない!
じゃあいくよ。

お邪魔しマース。

・・・なにこの気持ち悪い空気。

「なぁ、火讐さん、最近肌つやつやしてねぇか?」

たとえると、あれだ。
どっかの名物の、大根を股間に立てて踊ったりするエロい祭りを
にやにやしながら端で眺めている観光客。
ちょうどあんな感じ。
うれしさを押さえきれないけど、一応体裁で隠そうとする、
でも全然隠し切れてない。全身だだ盛れ。
そんな感じだ、この空気は。

「知らないのか?あの人、男知ったって噂」
「!マジかよ!?相手誰だ」 
「ばか。決まってるだろ?」
「・・・やっぱ?へへえ〜〜〜ついに、ね」

あーあ。ばれちゃってる。
仕方ないか。あの人、絵に描いたような猪突猛進タイプで感情丸出しだからなぁ。

あ、渦中の人が来た。

あ、だめだ。
こりゃ、思ってた以上に顔に出るタイプだわ・・・。
一目で幸せでたまりませんっ判る顔だよ・・・。
どんな女の子よりつやっつやしてるよ・・・。
反対に団吾は最近精気を抜かれたような顔してるのが気になるけど・・・
あ、あんまつっこまんでおこう・・・。
ほら、あんまりつやつやしてるから、
舎弟ども、にやにやしながらチラ見してる。
あ、ひとり猛者がいた。

「火讐さん、昨日お盛んだったみたいっすねえ?」

ひええええ殴られるぞお。
腰を引いて身構えるオレらに、彼は心底驚いた声を出した。

「!なんで知ってる!?見てたかこのヤロー!」

だめだこの人!想像以上にお馬鹿だよ!
舎弟にプライベートモロバレ。
どうしよう。団吾が知ったらそうとうへこむよなあ・・・。

しっかし、こんな噂(というか、本人が認めてるから事実だ)が流れているのに、
引いているヤツがいないのはさすがだな。
そのへんは仲間意識の強い人たちってわけだ。
あ、泣いてる舎弟もいる。

「あのお方が・・・ついに舎弟に手をつけられた・・・くぅぅ」
 
強面の男のすすり泣きはキモいなあ。
同じくらい強面の男が肩を抱いて慰めてる。
ぱっと見キモいがよく考えるとやっぱりキモい図だ。

「まあまあ、いいじゃねえか。合意の上なら・・・」
「なんでオレじゃねえんだ!」

オイオイ・・・。

「そりゃ、兄貴にだって選ぶ権利はあるだろうよ」
「どういう意味だ!」

うんうん。まったく同感。
しかしこいつら、その、なんだ、真性だな。いい意味で。
いい意味でってつければなんでも許されると思ってんのかこらぁ〜〜!?(自分ボケ自分ギレ)
あ、幹部の皆さんはどう思ってるのかな?
もともとあの人の忠誠心・・・というか盲信というか・・・
ほんとうにギッリギリの兄貴愛を間近で見てきたわけだから、
容認派かな?
「ナンバー2ならお似合いだぜ」
「ああ」
って感じで。今いないから次さりげなく聞いておこう・・・。

「火讐さん、団吾の兄貴って、あん時、どうなんすか?
ちょっとだけ教えてくださいよ」

皆さん、兄貴のこと興味しんしんなんだね。
オレもちょっとだけ聞きたいような聞きたくないような・・・
やっぱり聞きたいな・・・リアルに考えるのはごめんだけど。

「だめだ!」

お、さすが硬派。そこはわきまえてるんだ。

ぶーぶーいう舎弟どもに、彼は勝ち誇った顔でこう言い放った。

「悔しかったらお前も掘ってもらえ!」

オイオイオイ!

だめだって。実際するからこいつら。絶対するから!
それとも兄貴が絶対なびかないっていう自信の上での台詞か!?
個人的に(おそるおそる)尋ねてみると、これまた自信まんまんに応えてくれた。

「男はオレだけにするって約束してくださってる」

男は・・・ね。

「あー、・・・女はいいの?」
「そこまでは・・・言えない」

我慢してるわけね。ほんとはいやなんだ。

「団吾はなにがとうしたってあんただけだろうよ」

って言ってやると、オレにひと睨みくれてぷいと場を去ってしまった。
はは、照れてる照れてる。

とりあえず、今日の茶越くんのレポートはこれでおしまい。
派遣組の皆はなにがあっても兄貴ラブでした☆

これでいいだろ?団吾。

お前も言ってやればいいのに。
「安心しろ。オイが抱きたいのはお前だけじゃ」とかさ。
え、恥ずかしい?今更。
お前素でタラシじゃん兄貴モードだと。
とりあえずあんま舎弟たちを泣かせんなよ。この天然男タラシが☆



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