個性的な彼氏


男同士だとか、よりによってあんなのにとか、
つまらないごちゃごちゃした感情は、
思い切って取り払ってしまうと、意外にも、あらすっきり。

もともと、オレは好きになる子は、
外見より個性を重視するタイプだ。
こいつはある意味、究極の個性派だ。

なんでそんなことで思い悩んでいたのか馬鹿馬鹿しい。
最近では、ある意味「みんなのアイドル」を独り占めしてるって
優越感さえ生まれてきた。


休みの日、オレは団吾の家に遊びにきていた。
といっても、やることといったら例によってあやしげなゲームか人様にはいえないようなビデオの鑑賞。

ちょっと情けない気がしないでもないけど、
ぶっちゃけ、オレとしては、ふたりでいれればそれでよかったりする。


団吾はなにをしていも、4時半になると必ずテレビをつける。
いうまでもなくアニメタイムだ。
団吾がアニメにはまっている間、オレは付き合いで見ているか、あきるとマンガでも読みながら待つのが常である。

ところがである。
これが、5時になっても5時半になっても終わらない。
ひとつのアニメが終わったと思うと、また別のアニメのOPが流れる。

いらいらしてきた。
団吾の隣に座って尋ねる。

「まだ終わらない?」
「もうちょっと」
「これ、女の子向けだろ?」
「偏見だよ茶越君。今そういうのないんだよ」

ぶっちゃけオレは、団吾が小さな声で応援している、戦闘ヒロインらしきピンク髪の女の子がどうなろうと知ったこっちゃない。
悪い奴らに負けて監禁されようとご自由に、だ。

言ったら怒るから言わないけど。

いや、オレが問題にしているのは、だ。
彼氏(そう、彼氏だ)をいつまでも放置プレイにかけていて、いいと思ってるのかってこと。
どうなのよ団吾君。

「だーんご」

後ろから羽交い絞めにしてやる。
耳に息を吹きかけたり、こめかみの辺りにキスしたり、頬を唇ではんだり、
ちょっとハードなスキンシップってやつをお見舞いする。。
団吾はくすぐったそうに肩をすくめたが、オレをなだめるように言った。

「これ終わってからね」
「どうせビデオ撮ってるだろ」

ぶーぶー。
口を尖らせて抗議すると、リアルタイムで見ないとダメなのだと主張する。
いつもがら、こいつの理屈はよくわからない。
わからないが、
こいつにはコイツの世界がある。
そちらには踏み込まないようにするのがおつきあいのルールってヤツだろう。

おとなしく顔を離して、少し上の位置にある団吾の顔を見上げる。
オレを見ないのは憎たらしいけれど、
食い入るような目で画面を見つめている団吾の横顔は、
子供のように一途でなんかかわいい。

ヤバイ。イタズラ心に火がついちまった。

ひとさし指を舐めて、にやりと笑った
するりと団吾のズボンの中に忍ばせる。

「あ!待っ・・・!」

お誂え向けに団吾がはいてるのはジャージだ。
ベルトがないおかげでオレの手は楽々と動き回る。
下着はないも同然だ。

指が、オレのを受け入れる場所にたどり着く。
入り口をグリグリとえぐってやる。

「や‥、ぁ!」

指先を中に割り込ませる。
団吾の背中がぴくりと震えて、身もだえしだした。

「はあ、はあ・・・」

すぐに団吾の息は荒くなり、目はとろんとしてくる。
どうだ。アニメなんて観賞してる場合じャないだろ?

そうこうしてるうちにオレは習い覚えたイイトコロを見付けて擦るし掻くしで団吾は余裕がなくなっていった。

「茶越君・・・」
「なぁに?」
「ね、前も触って・・・っ」

紅潮した顔で、オレの空いた手に縋って言うけど
「アニメ、見なくていいのか?」
と笑って言ってやる。

「いじわるぅ・・・」

綺麗な赤い目から涙が溢れた。
やばいやばい。なんでこいつこんなにいろっぺえんだ。

オレは、中学のときから団吾のトレードマークだった黒ぶちの大きな眼鏡を取って出来るだけ遠くに置き、
涙の雫を舐めて瞼にキスを落とした。

「ベッドに行く?」
「ん、や、ここでいいから・・・」

オレは指を引き抜くと、ズボンと下着を同時に下ろした。

「腰浮かして」

団吾はオレに言われるまま、腰を浮かせて四つん這いになった。
尻を突き出した、なんていうか、

「あー・・・ヤラシイカッコウ」

べつに言葉責めじゃないぜ?いつかしてみたいとは思ってるけどな。
やわらかくてひんやりとした尻肉をつかんで大きく揉み、平手で叩く。
ペチン、といい音がする。
おもしろくなってもう一度叩く。
ペチン、ペチン。

「もう・・・」
じれったそうに腰をゆするのを見てオレはほくそえむ。
「わーったって」

前に手をのばして、張り詰めたそれを握る。
いつも思うけど、団吾のこれは「おちんちん」って感じだ。
言ったら怒るだろうから言わないけど。

それをやさしく揉み、擦る。
すぐに先走りの液がボタボタ垂れてすべりを良くする。

こいつも男なんだなあ、とちょっとへんな気がする。
でも、あたりまえ、だよな?

その液を掬って、また後ろを馴らし始める。

「あ、んぁ、」

前は決定的な刺激をやらないのでイくにイけない。
後ろはすでに準備OKだ。

「入れるぞ」

せわしない息をしながら首を縦に振る団吾がかわいくて、オレは笑った。

「んあっ!あぁ!」

反射的に閉じようとする内壁を押し広げて挿入する。
苦しそうだけど、上がった声はぞくぞくするくらいいやらしかった。

「は、ふぁ、あっあっ!」

オレの動きに、団吾は腰を振って応えた。
じゅぷじゅぷ音がする。

「あッも、だめ、イっちゃ・・・!」

「いいぞ、イって」

「あ、ん!あぁ!」

ふたり同時にイってしまった。
床はもうふたりぶんの液でベタベタだ。

脱力した団吾の背に口付ける。
くすぐったそうに身をよじる団吾の後ろ肩の辺りにひとつ、キスマークをつけてやる。
ささやかな所有の証。学校で誰かに見つかったらいい。


♪♪♪

否が応でも耳に入ってくる特徴のあるメロディに顔を上げる。
それはアニメのエンディングテーマ。
団吾はじっとそれを眺めていた。
頬はいくらか高潮しているが、もう目は真剣だ。

情緒のないやつがあったもんだ。
終わったらすぐアニメか。
すこしは余韻に浸ったらどうなんだ。

「最後のほう・・・」
「ん?」
「内容わからなかった・・・」

オレはあきれた。

「お前、ちゃっかり見てたのか。」
「あ、別に集中してなかったわけじゃないから」

そりゃそうだろうよ。あれが演技だったらAV女優になれる。

「だから、ビデオで見リゃいいだろ」
「それとこれとは別なんだって」

「お前、オレとのセックスとアニメとどっち大切なの?」

なんて問い詰めるような真似はしない。
これがコイツの個性なのだ。
面白い。面白いよ。マイハニー。

初の茶団801。
反省はしない。


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