温泉でGO 兄貴は真の漢だぜ! 編


あんまり、というより全然気は進まなかったんだけど。
ぱっと入ってささっと上がってくればいいか、って思って
派遣組のみんなとお風呂に入りました。

はあ。大体想像はしてたよ?
してたけど、現実はそれを上回ったよ。

ボクのいくところどこにでもついてくるんだよね。
ねっとり絡みつくような視線が。

うう、セクハラだぁ〜〜〜。

なんで皆さん、ボクの体(というか、一部分)に興味津々なんですかぁ〜〜〜!
やめて。見ないで。お願い!
とにかく、お湯に入って身を隠そう・・・。
身をよじってその場にしゃがみこみたくなるのをぐっと我慢して、
ボクはできるだけ兄貴らしく堂々と(舎弟たちの環視の中だもの!)
湯船に向かった。と・・・。

「あ、兄貴」

今一番会いたくない人に会っちゃった!

しかも、お花が飛ひそうな満面の笑み。
くるぞ。絶対くるぞ。

「兄貴のって・・・
ふんどしがはちきれそうなくらい・・・大きかったでしょ・・・?」

ほらきた!
いや、ちょっと待ってよ。なんでそんなことここで持ち出すの・・・。
その件に関しては積極的に忘れて欲しいです。ほんと勘弁してください。(泣)

「オレ、見たいっす。兄貴の・・・」

ああ・・・君の言動はいつも最悪の斜め上を行くんだね・・・。
感心しちゃうくらい。

「な、な、・・・」
「決してへんな意味じゃなく!真の漢ってやつを拝ませて欲しいんす!
後学のために!」

火讐くん・・・自分でなに言ってるかわかってないよね・・・?(汗)
もう、突っ込む気すら起きないよ・・・。欲望に忠実にも程があるよ・・・。

て、ダメだって、火讐くん。
そんな期待を込めたキラキラした目で見たって。
兄貴の真の漢はその・・・とってもアレですから・・・・・・(泣)

どうしよう・・・このまま上がっちゃおうか・・・いやそれは不自然だ。
うーーん。
この場をごまかす上手い手は・・・。

「あ!アレはなんじゃ!!!!!」
「え?」

一瞬の隙を突いて、ボクは湯船に飛び込んだ。
ぱしゃん。

「ふぅーーー。すまんな火讐よなんでもなかった」

よ、よかったー。お湯が乳白色で。
火讐くん、ちょっと怖い顔をしたけど、おとなしくボクに続いて湯船に入った。
ひいぃ、火讐くん、ずーーーーーっと視線を注ぎっぱなしだ。
ボクが出るまで火讐くんも出そうにない。

そんなこんなでのぼせる寸前まで漬かっていたボクたちでした。

異常事態に気づいた紋武くんにひっぱりあげてもらって助かったよ。

「なにやってんだおめーらはよ」

あきれ顔の紋武くんがぱたぱたと団扇で扇いでくれる。

「我慢比べか?ユデダコみてぇになっちまって」
「・・・すまん、紋武・・・」

う、ふらふらするけど意識はしっかりしてる。

「火讐、平気か・・・?」
「は、はい・・・」

火讐くんの声もしっかりしてて安心した。

まあ、無事とはいえないまでも何とか切り抜けたみたい。
さすがの火讐くんももう追及する元気ないよね・・・?



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