パラレルラブ


いうまでもないが、男オタクと女オタクは相容れない存在である。

女オタがアニメキャラの等身大抱き枕持ってる男なんてイヤなら、
男オタだって、
男性声優の喘ぎ声の入っているCD持ってる女なんてノーサンキューである。
客観的に見ると、よくもまあ自分のことを棚に上げてとあきれるが、
人間の感情としてまあ仕方がないだろう。

それでも、彼女なら。
(しゃぼんたんとならきっと歩み寄れる)

ネットで会話しただけでなにがわかるといわれそうだけど、
彼女ほど気の合う異性はたぶんほかにいない。

彼女となら。
お互いのキモいところには目をつぶって。
生でも楽しくおしゃべりして、一緒にコミケに行って、一緒にゲームして、
マンガ喫茶で彼女の好きなBL本を一緒に読んでもいい。
世間から見ると随分しょっぱいカップルだろうが、
本人達が幸せならそれでいいじゃないか。
少なくとも、今のように虚勢を張っているよりは。

(会いたいよ。しゃぼんたん。でも)

こんなこと、どの道、妄想だけ。
実際に会う約束をする度胸なんてない。
会って幻滅されるより、遭わずに末永く仲良くしてもらうほうがいい。
妄想だけなら傷つかない。
PCの向こうにいる以上、「しゃぼんたん」も二次元の女の子と同じだ。
二次元の女の子相手なら安心して恋が出来る。
今までどおり。

自己嫌悪に浸りながら、今夜もまたチャットルームの扉をノックする。
いとしいあの子の「待ってたよ」という言葉を期待して。
なんて幸せな世界。



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