ピロートーク
「だって・・・」 なにくすくす笑っているのござるか、と尋ねると 汗ばんだ手で顔を覆ったまま、 「オタクのくせに、こんな美しさから程遠いモンを よくまあそんな手間隙かけてどーのこーのできるもんだなあと・・・」 かすれ気味の色っぽい声でそんなことを言う。 ふむ、正論でござる。 二次元美少女はすべすべつるつるつるで どこもかしこも綺麗なものでござるからな。 こういうものばかり見ていると 現実を受け付けなくなってもおかしくないでござるな。 でも、一つ大事なことを忘れているのではござらんか。 セル画の見過ぎで美的感覚が狂っているオタクにだって 「あばたもえくぼ」ということわざは通用するのでござるよ。 まあ少なくとも引くようなものではないでござるし、 どちらかというとかわいいのではござらんか？ 比較対照は何だと聞かれると困るでござるが。 それに。 お互い様というものでござるね。 それを言うなら 拙者なんて一生孤独な作業で家を揺らしていなければならないと 思っていたでござるよ？ そう耳元でささやくと、「そんな露骨な・・・」と 手の間からちょっと覗かせた眉を寄せる。 その眉の形があんまりかわいかったのでキスをお見舞いするでござる。 我々オタクは理屈大好きでござるけど、 たまには本能のままに行動してもバチは当たらないでござろう。 そんな感じで納得していただけたでござろうか、団吾殿？ |
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