茶越樽人の撮影会リポート


アロー、みんなのアイドル、茶越くんだよ。

今日はアキハバラの某ホテルにやってきた。
なんでも、「ぶりん@あらも〜ど」主催のイベントがあるんだって。
あ、情報の出所は団吾のオタク友達。
別に例のショタ本をネタに脅したんじゃないぜ。
しかも読者さん達のご要望にお応えした、
「まろん同盟たんミニ撮影会」と聞いちゃ黙っちゃいられないだろ。
アデランスの中野さん風に言うと、女房を質に入れてでも見ないとな☆
女房どころか彼女もいないけどな!ほっとけ!←セルフ突っ込み

ふんふん。ここか。どうってことないビジネスホテルだな。
受付のオタ友だちにはオレは顔パス。
簡易台所と8畳くらいの部屋が二つついている。
オレはベッドルームのドアを開けた。
お邪魔しまーす。

「おーい。元気でやってるかぁ」

「げ。茶越くん!」
ぎょっとした顔で立ちすくむ団吾の姿にオレは目を見張った。
「おま、そのカッコウ・・・」
団吾が着ているのは夏用の体操服・・・。
今ではめったにお目にかかれない、
というより、漫画でしか見たことのない、ぶ、ふるまあだ。
それも臙脂色。いや、紺色だったらいいってもんじゃないけど。
なんか卑猥じゃないか!いや、団吾の髪や目の色によく合ってるけど。

「もう、なんで来るんだよ・・・」

ご丁寧に、頭にはハチマキまで巻いている。設定は体育祭か?
眼鏡少女の体育祭か・・・。当然鈍くさく、リレーではビリなんだろうな・・・。
「いや、だって見たいじゃん。へー。そーいうことか。ふーん・・・」
改めてちょっと離れた位置でじろじろと眺め回す。
ん?待てよ。
「それ、下どうなってんだ?」
「矯正下着・・・」
「へぇ〜女の子みたいにぺったんこになるもんなんだなぁ〜」
「そこばっかじろじろ見ないでよ」
「しかも、パンティストッキングにニーソックスの二枚重ねか・・・
重装備だなあ」
「だから、見ないでって・・・」
団吾はもじもじと膝を擦り合わせる。
パンストに引き締め効果?みたいのがあるのだろうか、
脚の形がすっごくセクシーだ。

「これは?」
ボーンと突き出したふたつのふくらみを無遠慮に指で示す。
団吾の頭が申し訳なさそうに下がった。
「人工バスト・・・」
「パットじゃないんだ。ふーん」
両手の指を思い切り開いてガシ、とわしづかみにする。
「おお、ホンモノみてぇにたぷんたぷん」
「やめてよぉ〜」
「うひゃひゃGカップは余裕であるな」
なんか変態みたいだけど、真っ赤になっていやいやする団吾の反応が面白い。
手の中で好き勝手に揉んでいると聞き覚えのある鋭い声に制された。

「茶越殿!モデルさんに手を触れるのは厳禁でござる!」

ちぇー。オレはしぶしぶ手を離した。
「あ、ありがとう御宅田くん・・・」
「胸が大きめなのは肩幅をカバーするためでござる。一応男子でござるからな」
「へぇ、いろいろあるんだなぁ」
「一応て・・・」
不満げな団吾に構わず、オレは今日の主催者様にインタビュー。
「しっかし、よくこんなカッコウOKしたね」
「もともとコスプレ撮影会の話はあったのでござる。
女装するのに男のままの体型だとイヤだって団吾殿本人が言われるから、
ここまで本格的になったのでござるよ」

恥より完成度を取ったか。完璧主義の団吾らしい。

「団吾殿、もうすぐお客さん入るでござるよ」
「あ、はい・・・」
答えてから、団吾ははぁ、と深いため息をついた。
「いやだなあ・・・」
「大丈夫。よく似合うって!」
「全然嬉しくないよ・・・ボクの人生、オワタ・・・」
「ご謙遜を。むしろこれから始まるのでござるよ」
「ボクの人生て何!?すごいイヤなんですけど!」
「団吾殿、撮影ではできるだけ上目遣いに、でござるよ。
いやでござろうが、ぶりっこポーズでお願いするでござる。
グラビアはやりすぎるくらいでちょうどいいのでござるよ」
「わかりました・・・」
「ほかにも女装男子の撮影にはいろいろ注意事項があるでござるけど、
まあ団吾殿はもともと十分かわいいでござるから、
むしろそのままの、まだ熟れきれない少女の魅力で攻めるでござるよ」
「ああ・・・オワタ・・・」

さてさて、どうなりますことやら。ワクワク。
実況はみんなのアイドル、茶越樽人でお送りしますね☆

15時きっかり、撮影会開始時刻と同時に
8畳間にぞろぞろと入ってきた読者の皆さん。
その数、15人くらい。年はだいたい18〜30くらいってところか。
基本的に若い男ばかり。しかも、一目でアレとわかるようなルックスの。

濃い光景だなあ・・・。

うわ、男くさっ。てか、実際にクサい。クーラーもっと利かせて!
しっかし、みんなすごいカメラ持ってるなあ・・・。
これ、何十万もするやつだろ。カメコ御用達の。
今はデジカメなんじゃないの?カメコの世界は旧態依然なの?

と、寝室のドアを開けて団吾が現れた。

うわ、誰一人一言も発することなく、いっせいにカメラ向けたよ。キモッ。
団吾は慣れた様子でイスに腰掛けると、微笑み、あごに手を当ててポーズを作り、
唇を尖らせて観客に手を伸ばしたりウィンクしたりする。

なにこいつ?しっかりアイドルしてるじゃん。さっきまでの照れはどうした。
読者サービスとなると照れも吹っ飛ぶプロ意識か。

そのたびにフラッシュがバシバシ。
男達はにじりより、目をらんらんと光らせ、
連射モードでいっせいにシャッターを切る。キモいよお。
下から舐めるような角度でレンズを向けているやつもいる。
なにを狙ってるんだ?!

と、そこで10分ほど休憩タイム。

ほっと大きなため息が漏れ、男達は一仕事終わった顔で仲間同士で話をしている。
きっとオタクの情報交換だろうな。
次に黒いフリフリのメイド服に着替えてきた団吾、
大好きなメイドさんの衣装だからか、
やたら大胆になって床に仰向けになって喘ぐような表情。

ええ〜なにそれ?エッチグラビアっぽいけど、メイドさん関係ないよ?!

それに飽きると今度はソファを利用して足を上げる。
黒いストッキングに包まれた長い脚が綺麗だけどさ。
なにやってんのお前!?冷静になろうよ。
目がキラキラして、頬も上気して、なんかすげーやらしいぞ。

「まろんたん・・・ちょっとだけ、ちょっとだけ、
スカート、めくってくれないかなあ・・?
かわいいお尻がほんのちょっとだけ覗くくらいに・・・」

だから、冷静に・・・おっさん。

「こう・・・?」
「そ、そう・・・」

て、するなーーーー!!
お前ら、その下にあるのは自分らとあまり変わらないもんだぞ。
ああ、もう実況やだ・・・帰りたい、帰りたいよ・・・。

あ、ようやく終了タイムね・・・と思ったら、
こいつら、申し合わせたように、
最後に牛乳かけられたショットがどうしても撮りたい
なんて言い出しやがった。
調子に乗るな!聞くんじゃないぞ、団吾!

「え・・・なんで?」
「これ撮影だからね・・・かけないといい写真撮れないよ?」
「服汚れちゃう・・・」
「もちろん、クリーニング代払うから!お願い!」
「えぇ・・・うん、いいよ・・・」
「団・・・まろん殿・・・ほんとにいいんでごさるか?」
「うん」

ひとっ走り売店にいってきたらしいオタ友達が申し訳なさそうに、
パックに入った低脂肪乳を数滴、団吾の顔に垂らす。

「もっと思い切って!」

どろり、と白い液が盛大に団吾の顔を汚した。ひぃ〜。
またもや、一斉にフラッシュ。
と、ピンク色の舌が口の周りについたそれをちろりと舐めた。
こ、これは!

「あま〜い」
「うっ」

おそるべし、天然オタ殺し!

「ま、まろんたん、ゆ、指についたのも舐めて・・・」
「え?・・・うん・・・・・・どうしたのそんなにかがんで・・・お腹痛い?」
あーあー、そうだった。こいつはミルクが好きでした。
しかし、その・・・なんだ・・・ごち!

まあ、そんなこんなで撮影会は盛況のうちに幕を閉じました・・・。
濃い・・・濃かったよお・・・間違いなく、知らないほうが良い世界を
知ってしまったような気がするよママン・・・。

そう、開けないほうが良かったのだ・・・。

その晩、オレは夢を見た・・・これまでにないくらい強烈な悪夢を・・・。

残念ですが、ココから先は音声のみでお楽しみいただきます。

「じゃあ諸君、自分からまろんたんの○○○○コいただくであります」
「だめッッーーー!」
「ウホッ、まろん殿の○○むこは締まりが良いでありますぞ!」
「独り占めはイクナイでござる。そろそろ代わるでござるよ」
「まあそういわずに。まろん殿の愛くるしい表情がどのように変わっていくか、
じっくり楽しもうではないですか」
「うむ。それも一興でござるな」

うわーーーーーーーー!!!

洒落にならん。洒落になんないよ。
しかもニセ巨乳つきのメイド服のままだったよ!
そのまま男性向けスペースに並んでてもおかしくないよ。
やっぱり、あんな世界に首を突っ込むべきではなかった・・・おそろしやおそろしや。

教訓・パンピーの好奇心もほとんほどに。




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