執着


もったいないことをしたものだ。

見るも無残なくらい骨と皮しかない体つきの、
いつもおどおどと自分を見上げていたあのモヤシ。

地面に叩きつけるとかわいい声で泣いた。
それが聞きたくて毎日いじめていた。
あの声が耳に残っているのがいけないんだと思う。

今なら、もっといたぶってやるのに。

どんなに豊満な体を見てもあの貧相な体ほどそそらない。
あの産毛すら生えていない痩せた体でないとダメなのだ。
あのモヤシじゃないとだめなのだ。

べつに操を立てているというわけじゃないが、
はじめてリビドーを感じた相手に忠実なのかもしれない。

そう、アイツが悪いのだ。

嘘か真か首都校で番を張っているというし、
すこしは男っぽくなっているかと思ったのに、
イベント会場で久しぶりに見たヤツがあいかわらずひょろひょろだったから。
いじめられっこの面影が残っているどころじゃない。
大きな眼鏡を取ったらたぶん当時とほとんどかわらない。
今度こそは。

あの貧相な体を思う存分いたぶってやる。
まずは、あの真っ白い体を荒縄で彩ってやる。
ギリギリと縛り上げて苦痛に泣かせてやる。
つんと立った乳首に爪を立てきつく挟み込んで
ヒィと悲鳴をあげさせてやる。
肉の薄い尻を片手でつかんで執拗にしゃぶりつくしたら
首を振っていやだいやだと泣き叫ぶだろう。

それこそがずっと待ち望んでいたもの。

なぶっていためつけて従順なペットにしてやる。
あの赤い目でおどおどと見上げてくる様を想像するだけで疼く。

そうだ。あのちいさな雄の徴は手慰みにちょうどいい玩具になるだろう。
暇なときに弄って鳴かせてやるのだ。

赤い髪に赤い目をした、己に食われるのを待っている小動物。
今度こそ、逃しはしない。


とりあえず、書くのが使命だと思った。(え!?)


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