兄貴は癒し系なんです


今更ですが、ボクって流されすぎではないでしょうか?

いや、敗因ははっきりしてるんです。
ボクには、
「こいつをひいひい言わせてやるぜ!(下品ですみません)」
という気概が決定的に欠けているんだもの・・・。
そもそも三次でエッチしたいなんて思ったことないですし・・・。
また、お相手がやる気満々すぎるのもよくないんだよね・・・。

「メチャメチャにしてくださいっ・・・兄貴」

なんて言いながら、ボクをメチャメチャにするんだもの、火讐くんは、いつも(汗)

でも、このままじゃいけない。

ボクだって仮にも数百人の舎弟を束ねる番長だ。
流されてばかりじゃダメだ。
そろそろ漢にならないと!
今日こそは、男前に、男らしく・・・。

「兄貴も脱いでくだせぇ」

だから、それがいけないんだって。

「なんすか、兄貴」
「そんなさっさと脱いだら情緒のカケラもないであろう」
「面倒くさいじゃないですか」

た、確かにそうですけどぉ。
正直ありがたいとも思っていましたけどぉ・・・。
そこからまず改善しないといつまでたっても変わらないと思うんだよね、うん。

「赤ん坊じゃあるまいし。服くらい自分で脱ぎますよ」
「そういう問題じゃない。気分の問題だ」

だから、そんな堂々と仁王立ちしないで・・・。
火讐くんの裸体は美術のスライドで観たダビデ像みたいで
全然イヤラシさがなくて綺麗だけどさ・・・。
あんまり眩しくてこっちが目をそらしちゃうよ。
そらす必要はないんですけど。

「今日はお前はなんにもせんでいい・・・オイにすべてまかせろ・・・」

ボクなりにかっこよく決めたつもり。

「兄貴・・・?なんで・・・?」

きょとんとする火讐くんをゆっくりとベッドに押し倒す。

「お前は目をつぶっていればいい・・・」
「でも、兄貴・・・」
「黙ってろ」
「兄貴の顔・・・見ていたいんす」

う、なにこの殺し文句。

「か、火讐・・・」
「兄貴・・・見ててもいいっすか?」

だから、そんなつやつやした目で見ないで。
だめなんていえなくなるでしょ。
その気はないと思うけど君の上目遣いは強力だからね。

「う・・・お前の好きにしろ・・・火讐・・・」

つい、抱きしめちゃった。かわいすぎるよ。

「あ、兄貴・・・」
「じっとしてろ」
「いやです、それ・・・」
「なんで・・・」
「兄貴の顔が見れないから・・・」

あぁもう!きゅんきゅんするなぁ。きゅんきゅん。

「ずっと顔見てて・・・」
「火讐・・・」
「前ギなんかいらないす・・・兄貴とくっついていられれば・・・それでいい」

あ、どうしよう・・・泣きそうになっちゃった。

「あんまりそんな・・・いろいろされるのは・・・」
「ん?」
「女みたいで、いやだ」

いつになく恥ずかしそうにボクから目をそらしてぼそっと呟く。
はぁ、火讐くん、好き勝手にされるのは好まないタイプなのかなと思ってたけど、
そんなこと思ってたんだ。
でもこのままはよくないよね。せっかくこうして抱き合ってるんだから。

「そんなことを言うな。お前を女扱いなんてしてない」

やさしく頬を手で包んで囁く。

「兄貴・・・」
「オイはお前を可愛がってやりたい。精一杯気持ちよくなってもらいたい。
それだけじゃ」

精一杯の真を込めて。

「兄貴・・・」
「いいか・・・?」
「はい・・・」 

覚悟を決めたようにぎゅっと目を閉じる姿がいじらしい。

「恥ずかしがらずに、自然に感じてくれ・・・」

まぁ、そんなこと言って不慣れなんですけどね。

言ってることは兄貴だけど、中身はオタですから、結局。

「男でも感じていいのじゃぞ・・・ほら」
「あ、そこは・・・」

※残念ですが、ここから先は音声のみでお楽しみいただきます。

えーっと、なにやってるのかは想像してください。
恥ずかしいからね、我ながら、ほんとに・・・。

「や・・・だ」
「硬くなった。可愛いぞ」

どどどどどきどきしてきた。きゃー。

「こうするともっとよくなる」
「ひゃ、・・・だめっ、だめです、兄貴っ」
「だめじゃない。ほら」

ふふ、さすがの火讐くんでもこうなると
漢受けを貫くのは困難だよね・・・!

「もうパンパンだな・・・」
「うう・・・ひどいです、兄貴・・・」

涙目になってぶるぶる震えてそのかわいいことといったら。
まさに子犬。

「そんなことされたら・・・」

ふふ。もう降参でしょ?

「オレもやります!」

あれ!?

「あ、こら!」

結局いつものとおり!? 

「おとなしくしてろといったろ!」

「やっぱオレ、やられっぱなしって向いてません」

ああ、そんなに男前に宣言しないで・・・。

「はりきって兄貴を気持ちよくさせますっ」

結局きっちりやりかえされました。しかももっと激しく。
やられたら倍にしてやり返す、それが火讐くんのポリシーなんだってこと
身をもって知ったよ・・・。

ああ・・・せっかく漢になる決意を固めたのに、火讐くんのぱかぁ・・・。

こうしてボクの漢の決意は毎度ひっくり返されてしまうのでした。

ああ、火讐くん、そんなつやつやして・・・。
ほんっとにいつも通りすぎてがっくり力抜けちゃった。はぁ・・・。




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