幸せな日常
「すげぇな。女の子にしか見えないぜ」 「それ、まさか誉めてるつもり?」 「じゃあどういやいいんだ。女の子に見られたいんだろ?」 「うーん。そういうわけじゃないんだけど・・・」 ふりっふりのピンクのメイド服。 今度のイベントでお披露目するんだって。 「なぁ、メイドさんと支配人ごっこしよーぜ」 「やだ」 団吾はつんと顔をそむけた。 「楽しいの茶越くんだけだもん」 「そういわずに」 短いスカートの中に手を突っ込む。 「なんだこれはぁ〜?女の子にはついてちゃいけないものがついてるなぁ〜?」 「ばか・・・」 「あ、なんだよ。ノリ悪ぃの〜。ここは、『ゆるしてください支配人』だろ」 「ふともも触るな。へんたい」 手をぱちっと叩かれる。 「なんだよ〜。けち〜」 「ふんだ」 「ちぇー。いやならなんでそんなん見せるのかなぁ。見て欲しいんだろ?」 お、図星をついたか。 ちょっと大胆に出ることにするか。 「お前下着も女物か・・・?」 「あ、そこは・・・」 「あれ、ない」 「あるよばか」 「女の子みたいにぺったんこじゃないかー」 「それ矯正下着だからだよっ」 「ふーん・・・必要あるの?」 「・・・!?」 きっとにらむ顔がかわいい。その気になればめちゃめちゃ迫力出せるくせに。 「隙有り」 態勢を変えて団吾の体を膝にまたがらせる。 露になっている太股に触れる。 押したら指がぷにっと埋まるむちむち加減がたまらない。 「お前さ、そーいう格好するの自重しろよな」 「なんで」 「いかがわしい男たちがよってくる。ナンパとかされない?」 「時々される」 「あらら」 「そんで、なんで男がミニスカはいてんだよって怒る」 「まったく正論だな」 「ボクオタクだからごめんなさいって謝るけど」 「そりゃ気の毒だ。」 ほんとに気の毒。 「まあ、男だと知っててこういうことしたがるのは ボクの目の前にいる人一人だと思うけど」 「んだよ。お前も喜んでるだろ」 「喜んでません」 愛はないけど気楽にうきうきと楽しめる。 オレらはそんないかがわしくも楽しい関係。 |
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