危険なチョコレイト


知らない顔してたけど、壁に耳を寄せずにはいられなかった。
だんだんとそれではガマンできなくなってきて・・・。

ついに、おにいちゃんの部屋のドアに穴をあけちゃった。
おにいちゃんはそういうの気にする人じゃないから多分見つからないと思う・・・。

ドアの向こうで、今、おにいちゃんは番長さんとキスしてる。

ロマンチックなものでもいやらしいものでもなく、じゃれあうようなキス。
すごく楽しそう。
キスしながらベッドに倒れこむ。
遊びの延長みたいに。

あ、番長さん、おにいちゃんのタンクトップをまくりあげて胸にキスしてる。

おにいちゃん・・・きもちいいのかな・・・。

胸に手を伸ばしてぎゅっとつかんでみる。
先端を指でくりくりと回すと脚の間につんと甘い疼きが走った。
すごく、いけないことをしてる気分・・・。
覗き見自体がいけないことだけど・・・。

番長さんがおにいちゃんの短パンの中に手をつっこんでもぞもぞしてる。
気がついたら私も同じことをしていた・・・。

へんな気分・・・ここがむずむずするの・・・。

私にはついてないあれが・・・
番長さんにかわいがられてるような気がして・・・
気持ちいいような気がするの・・・どうして・・・?

下着の上から触っているとじんじんと疼いてきた。
きゅっと、右手を両のふとももではさみこんでみてももっとひどくなるだけ・・・。

あ、アレって、すごく気持ち悪いって聞いてたけど・・・意外にかわいいんだ。

はじめて見たアレがおにいちゃんの彼氏の、ってへんなの。

わ、おにいちゃん、それに口をつけてる。

信じらんない。
好きになったらそんなことが平気になっちゃうのかな?
大好きなお菓子を口に入れるように、あんなものを口に入れたくなっちゃうのかな?

おにいちゃん、とっても美味しいチョコバーみたいに舐めてる・・・。

なんとなく、自分の指を口に持っていく。
二本揃えて舌を絡める。咥えてしゃぶる。
おにいちゃんが美味しいのなら私も美味しいよ・・・。
そうしているとますます疼いてたまらなくなってきた。
きっとおにいちゃんもそう。

あのおにいちゃんがあんなにえっちな顔するなんて・・・。

だめ。もう見てられない。

押し殺したようなちいさな悲鳴。
ううん、悲鳴じゃない。
おにいちゃん・・・番長さんの、受け入れたのね・・・。
声ってほんとに出ちゃうんだ。

私、したことないけど・・・。
見つかるかも、なんてもうどうでもよくなって、ぱんつを下ろした。
ぐじゅぐじゅでひどい状態。
指に液を絡めてたどり、見つけた個所にそっと入れてみる。
つき入れて、抜く。またつき入れる。
そのたびにちゅく、ちゅくと音がする。

ひとりエッチだけど気持ち的にはおにいちゃんと一緒になってるつもり。

おにいちゃん、私、おにいちゃんと同じ快感を味わってる!

「ん、んッ・・・」

忙しく膝を擦り合わせる。じっとしていられない。
左手でスカートをぎゅっとつかんで痙攣した。
足の先にまで痺れが広がり、やがてゆるんだ。

「はあ・・・」

脱力してドアにもたれかかる。

部屋の中の音に耳を澄ましながら乱れた息を整えていると、
ふいにドアが開いた。



BACK