本当の愛は兄貴に聞け! 


「か、火讐くん!なにしてるの!」

「すぐ来てくだせぇ」というメールを受け取って
なにごとかと火讐くんちに飛んでいってみたら、
ビックリするような光景が目に飛び込んできた。

「ばんちょうさん・・・」

チョコたん、目を真っ赤にしている。
ひどく叱られた様子だけど、火讐くん、妹大好きなのにどうして!?

「お仕置きです」

火讐くん、最近見られなくなった鬼畜フェイスでボクを睨みつけるんだからゾッとした。
でも平常心。

「まったく信じらんねぇ」
「一体なにがあったの」
「知世のヤツ、オレが知らない間に淫らなことを覚えちまったんす」

み、淫らなことって・・・!?
チョコたんの顔を盗み見ると、真っ赤になってうつむいている。
嘘だよね・・・!?

「うかつだったぜ。まさか、紋武と・・・」

ええーー紋武くんと!?

「メールのやり取りする仲になっていたなんて!」

へ?

「それだけ?」
「十分です!知世はまだ中学生ですよ!
軽はずみな気持ちで男と交際なんて断じて許さん!」

はぁ・・・。びっくりした。
相手が紋武くんなら安心じゃない・・・。
なんて、妹バカの火讐くんに言えるわけないし・・・。

「気持ちはわかるけど、厳しすぎるとかえって逆効果だと思うよ」

余計なお世話と怒鳴られるかと思ったけど、

「そうっすね」

意外にもあっさりうなづく火讐くんにあれっと思う。

「なら、兄貴、お力を借してもらえるっすか?」
「え?」

ボクも、このへんで悪い予感くらいはしてたんだけど。

「ボクにできることならなんでも」

兄貴としてはそう答えるしかない。

「ありがたいっす」

彼に対するボクの悪い予感は大体当たるんだ。まずいことに・・・。

「知世、よく見ていろ」

肩を落とした姿も可憐な最愛の妹に、彼は命令した。

「ほんとうの愛ってやつを教えてやる!」

**********
「兄貴、さあ」

さあ、って言われても。

「いつものようにしてください」

いつものようにって・・・。
確かに、今、ボクらはいつものように火讐くんのベッドの上で
折り重なっているわけですが、
ただひとつ、いつもと違うのは、チョコたんが、
ベッドから1メートルほどの距離のところでちょこんとお座りしてまして・・・。

「火讐くん、念のため確認するよ」
「なんなりと」
「ようするに、チョコたんの前でやれってことだよね?」
「そのとおりです」

そのとおりですって・・・。

「知世にほんとうの愛ってやつを教えてやってくだせえ」

う、うーーーん・・・。
ボク、鈍いのかな?火讐くんの思考経路がさっぱりわからないよ。
ただの変態プレイって気がするんだけど。
は、まさか、ボクのあれの大きさに物足りなくなってきたがゆえの、
マニアックプレイとか・・・。
だったらイヤだな・・・。

「さあ」
「む・・・」

いろいろいいわけを考えてても、結局火讐くんの迫力には勝てないボク。
むしろ、こういう仲になってからはすすんで流されていってる。

「ん・・・」

キスすると、気持ちよさそうに目を閉じてボクの首にしがみついてきた。
唇を舌でつつくと待ってましたとばかりに大きく開いて受け入れ、
なめらかに絡みついてくる。
ビチョビチョと、ちょうど音入れ部のお姉さんが火讐くん相手に奏でたようないやらしい音が響く。
チョコたんにも聞こえているだろう。
ちらっと横目でうかがうと、恥ずかしそうに顔をそむけていた。
口を離した時もちゅぽんと粘着質な音がした。
観客がいるせいか、今日はやけに耳が敏感になっている。

「さ、兄貴・・・」

火讐くんが自分でシャツの衿を開いて誘導する。
誘われるまま、ボクはその胸へ顔を埋めた。

「胸舐めるの?おっぱいないのにヘンじゃない?」

素朴な疑問の声を上げるチョコたん。
もうその目は食い入るようにボクらを見つめている。

「ヘンじゃないぞ。兄貴はオレを気持ちよくしようと頑張ってくださってるんだ。
この、頑張る気持ちが大事だぞ。
オレも兄貴のために日夜努力している・・・これが愛だ!」
「すてき・・・」

チョコたん、喜んでるよ(汗)
これ、なんのおしおきにもなってないよね。

「オレは兄貴のためならなんでもできる」

雄雄しく宣言しながらボクのぱんつを下ろしはじめたのはいい。
いや、いいはずないんだけど、とりあえずいい!
でも、問題はこれからですよ。実は、かなり不安。
チョコたんの前で・・・その、たつのか・・・。

「いつもより上向いてますよ、兄貴」

ボクって自分で考えてるよりMだったみたい・・・。

「見られて興奮してんすか?兄貴は変態ですね」

火讐くんの言葉責めキタ・・・!
しかし、どう考えてもこれ、かえってチョコたんを刺激してるよねえ・・・。

「おにいちゃん・・・」

あ、またチョコたんから質問かな。

「それ、どこにいれるの?やっぱり、おしり・・・?」
「なんだ、どこだと思ってた?」
「だって・・・痛くない?」
「痛くないぞ。兄貴のはやさしいからな!ほら、見てみろ」

信じられない・・・!
火讐くん、ボクのをぐい、とつかんでチョコたんの前に突き出したよ!

「先っぽ、まるくなってるだろ?オレを傷つけないように出来てるんだ」

兄による正しい性教育の時間か・・・。
あ、ちょっと現実逃避気味・・・。

「さらに、ここから汁が出てきて滑りがよくなる」

指差し確認しながらのなんて直接的な性教育!でもばか!

「そうなんだ・・・番長さんすごい」
「兄貴の凄さがわかったか」

もう、なにこの兄妹・・・。
もういやだよ・・・。
しかも、後者はボクだけじゃないし・・・全然正しい性教育じゃないよ・・・。

「紋武のは、あれだぞ、デカい。愛嬌がない。あれはだめだ。お前を傷つける」

ん?
得意げに語ってる火讐くんの言葉に若干違和感を覚えて、ボクは顔を上げる。

「かしゅうくん・・・どこで見たの?」
「え!」

火讐くんはギクリ、という音が聞こえそうなくらいの動揺を見せた。

「風呂で・・・そう、合宿の温泉で!」
「たってるとこ見たみたいな口ぶりだったけど・・・」
「あ・・・紋武のやつ、朝から、その・・・アレで・・・触っちまって・・・」

触っちゃだめでしょーー!

「違いますよ!抜きあいなんかしてませんよ!断じて!」

いや、言ってるから。バラしてるから、それ。

「違います!浮気じゃないんです!ヤツがコツ教えてくれるって言うから」

喋れば喋るほどドツボにはまってるよ、火讐くん・・・。

「勉強になりましたよ。ポイントはここんとこだって・・・ここ。
これはちっさくても同じだって・・・あ!」 
「かしゅうくん・・・・・・・・・。」

ふつふつと、怒りが湧き上がってくる。

「ボクのサイズまで言ったんだ・・・」
「言ってないです!ただ、紋武のの五割減くらいだとしか」

余計傷つくから、そんな説明(泣)

「あ、五割は言いすぎでした。3割減くらいで・・・」
「どっちでもいいよそんなの!かしゅうくん嫌い!」 
「紋武とは切れますから!」
「切らなきゃならないような仲だったんだ!」
「違います!!」

もう、火讐くんのばか!
せっかくのお仕置きプレイがケンカになっちゃったじゃないか!
チョコたん、あきれた顔で見てるし。想像と大分違う・・・、

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「もう我慢できない!私にも番長さんのちっさいの入れて!」
「だめだ!兄貴のちっさいのはオレだけのもの!そこで見とけ」 
「ああん、せめてこの手、自由にして・・・!」
「しょうがないやつだな。ほら」
「ああ・・・」
「人前でそんなところをいじって・・・
にいちゃんはお前をそんな子に育てた覚えないぞ」
「ば、ばんちょうさん・・・」
「かしゅうくん・・・チョコたんかわいそうだよ・・・」
「たまには厳しくしないとだめです!知世、想像だけなら許す。よく見てろ」
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みたいな展開にならなかった・・・いや、別に期待したわけじゃないけど。
いや、もしかしなくてもならなくて正解だったけど、
ちょっとだけ、勿体無かったような気がする。ボクって悪い子!

三日後、例によってあっさり仲直りした火讐くんから、
実はチョコたんのほうから「本当の愛を知りたい」って言い出したんだって聞いた。

チョコたんもばか!

ボクなんかよりずっと悪い子だよ!
もう、ボクどこまでも行っちゃうんだから!止めても知らないんだからね!




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