「君たち・・・」
自分でも、声も視線も氷のように冷たくなっていると思う。
「なにやってるの・・・?」
時刻は夜9時。
ボクと茶越くんはオタク組との交流会を終え、荷物を取りに寄った派遣部室で
実にいやなものを見てしまった。
「あ、これは、練習だよな、紋武!」
「いや、練習してるのは火讐でオレは手本見せてるだけで」
「君たちがそんなに仲良かったなんて知らなかったよ・・・」
ふたりの手にはそれぞれくし団子が一本ずつ。
タレの部分が中途半端に剥げているのがすごくいやだ。
そのタレがふたりの口の周りにべったりついているのはさらにいやだ。
「なんでくし団子・・・・・」
「あ、すいやせん!兄貴のはもっとちいさかったっすね!
今度からはこぶりのバナナで」
「しなくていいから!」
ていうか、やっぱりそれなんだ!
認めたくなかったよ。
「兄貴、これは兄貴に喜んでもらうためにやってるんです!愛の証です!
浮気じゃないんです!」
「兄貴ばか」なとここそ火讐くん最大の萌えポイントだと思うけどね・・・
涙が出そうだよ・・・ばかすぎて。
しかも年上の紋武くんまで一緒になってなんですか。
「そのとおりだ。御手洗、間違ってもこいつの気持ちを疑わないでやってくれ」
かっこいい台詞を吐く前に、口の周り、拭こうか?紋武くん。
「わかってくれますか?」
「ああ」
「良かった!さすが兄貴!」
忘れよう。今見たものは忘れよう。
「いいか、ここ」
忘れようとしているのに・・・。
「ここが最大のポイントだ。これはちいさくても変わらない」
「なるほどーさすが紋武」
「君たち・・・っっ」
感情が沸騰する。
「ボクはね、ボクはあれがちいさくて困ったことなんていっこもないんだよ!!!!」
「泣くな団吾!お前はよくやってる」
「うっうっ・・・」
茶越くんに背中をさすってもらってもだめ・・・。
今回は本気で傷ついちゃったぽい・・・。
ふたりがかりでなんてはじめてだもの・・・。
「オレは兄貴のちいさいの好きっす。むしろ、ちいさいから好きっす」
こんなとき君のフォローは・・・。
「今ではおおきな兄貴なんて考えられないっす。
兄貴にプリティプリティMINI珍歩は最高にマッチしてます」
逆効果なんだってぱ・・・いい加減気づいて・・・。
「そうだぞ御手洗!大きけりゃいいってもんじゃない。
女の中には大きいの嫌がるヤツも多いんだぞ」
「女にはやらないっ。兄貴のMINI珍はオレだけのものだっ」
きゅっとボクのソレを握って切実な目で訴える。
「これからもっともっとかわいがるし、○○○だってたくさんやりますから、オレだけのMINI珍でいて!!」
「御手洗は幸せものだな!うらやましいぜ」
ちょっと、紋武くん。
なにいい顔で、
「オレなんかの出る幕じゃない・・・あばよっ」
なんて言ってんの。逃げる気まんまんでしょ、ちょっと。
「増大法なんかやっちゃだめです!兄貴はちいさいのがいいの!」
ああ、茶越くんも若干逃げ腰だ。わかるよ。
「オレの・・・オレだけのMINI珍歩・・・」
できれば、ボクも逃げたい(涙)
あーでも、なんだ。
幸せなんだか悲しいんだかわかんないけど、
火讐くんがいいならそれでいい!もうッ!
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