君は最高


触って舐めて入れて出すだけでしょ。
すぐに飽きるに違いないって思ってた。

「今日は顔にかけてくださいっ」 

・・・どこで覚えたのそれ。

「兄貴の精○パックでつるつるになりますきっと」
「火讐くん、それ、デマだよ。あれほとんどたんぱく質だもん」
「じゃあ体にはいいんだ!」

どこまでポジティブシンキングなの!?

「よくないよー。だいたい飲みたくないでしょあんなの。不味そうじゃない」
「確かに不味そうですよ。でも兄貴のは体にいいから飲みたいです」

セックスって黙々とやるもんだと思ってたけど、
こんなバカな話をしながらするのもありなんだ・・・。
相手が底抜けに前向きな火讐くんだからなんだろうけど。

火讐くん、ごくっと喉を鳴らすと、顔を上げ、
とても晴れ晴れした表情でこう言った。

「ぷはっ、不味い、もう一本!」

青汁ですか!
照れくささも申し訳なさもその言葉で笑いに変えてしまう。

「誰がうまいこと言えって・・・」
「たくさん飲んだら、オレの体の細胞の何百万分の一か、兄貴になるのかな・・・」

そして、不意打ちでこんなことを言う。
なんという天然殺し屋。

「尻から入ったのは吸収されないだろうなあ」

で、盛り上げておいて、こんな落とし方するんだよね・・・
もうちょっと婉曲な表現はできないものだろうか・・・。
 
「いや、でも、直腸のほうが吸収率いいって言わない?」 
「そうすか!?やった!」 
「熱さましとかお尻から入れるし」

なにこの会話?
まったく色気がないよ・・・。
にやにやしすぎ!っておでこを軽く叩いてあげたら、火讐くん、

「オレのこの体、すこしは、兄貴の細胞でできてるって思ったらうれしくって」

だって。
世の恋人がみんな君のようだったらセックスレスカップルなんてなくなるんだけど!
ゲームより面白い、想定外の君よ。




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