ある日の情景


それはなんともシュールな光景だった。

派遣組の部室に、下半身まるだしにした御手洗が入ってきた。
なのに、舎弟たちは気づかないで談笑してる。

「あ、兄貴!」
「なんて格好してんすか!」
「あまりに違和感なかったから見過ごしてたぜ!」
「兄貴、トイレに行った後忘れたんですか?」
「幼児かっ。ここに来る途中、犬に取られたんじゃ」
「着替え持ってきやす」

ばたばたする部室に続いて入ってきたのは火讐。
御手洗の姿に目を留めると、なにを考えたのか、

「兄貴の気持ちはよくわかりやした」 

そう言ってガチャガチャとズボンのベルトを外しだす。

「さ、いつでもどうぞ」 

後ろを向いて尻を丸出しにする。

「恥ずかしいことなんかなにもないです!見たいやつは見るがいい!」
「ばかーーーーー!!!!」

そんなコントのような一幕に、舎弟たちは慣れきってるらしい。

「相変わらずアツアツだな、あのふたりは」

免疫が出来るっておそろしいことだな。

「実はさ、オレたち、できちまったんだよ」

どさくさにまぎれてこんな告白をし出すヤツまであらわれる。
ちなみにルックスは綺麗系というより、ブサ怖系だ。
 
「まじ!?めでてーじゃん!」 

それを受ける側もめちゃくちゃ素である。

「兄貴、兄貴にあやかってオレらもア○ルセックスの良さに目覚めました!」
「君たちもばかーーーーーー!」

そんなやりとりの後に馬刺しくんの持ってきたパンツを履こうとする御手洗を、
舎弟たちがとり囲んだ。


「兄貴のすげぇ!」
「こんなの見たことねぇ!今までと逆の意味で!おい、半紙に墨持ってこい!」
「兄貴のプリティプリティMINI珍拓を採らないと」
「いくらだ!?」

止めるかと思ったらこいつは・・・。

「火讐くん・・・」
「部屋に飾る」
「やめてぇ!!」

まあ、聞いていた通りといえば凄くその通りだな。

「どうせならマックスのとこ採りたいよな!」
「あにき、かんべんしてくだせぇ。芸術のためです」

馬刺し君が御手洗の下半身にそっと手を伸ばす。

「あにき、ちっさくてかわいいです、いとおしい・・・」 
「ひぃぃぃやめてぇ!こんな大勢の前でたつわけないじゃない!」

しばらくぎゃあぎゃあ騒いでいたが、結局しっかり採られたらしい。

「何度見ても可愛いよな!」

満足そうに半紙を光に透かして眺めている舎弟たち。
御手洗はといえば火讐の膝に顔を埋めて泣き崩れてる。

「お前ら、兄貴のこれを笑っていいのはオレだけだぞ!」
 
ついに火讐がキれた。
て、さっきまでお前も一緒になってたよな?
しっかり一枚もらってるぽいし。

「ちいさくてもな、ちいさくても、ちいさくても・・・」

目が泳いでいる。こいつは嘘が付けないと見た。

「その、なんだ、その・・・・・・使えりゃいい、うん」

かえって傷つくから、それ。

「そうだ!ちいさくても兄貴は兄貴!」

モヒカンくんの力強い発言にうなずく舎弟たち。
て、脈絡ってヤツがないのかこいつらには。

「兄貴のちいさいので注射してください」
「なに言い出すのッ」
「今五日目で」
「ひとをいちじく浣腸代わりにしないでよっっ」

・・・乱、お前、ほんとにここでやってけるのか?

「このバカさ加減がいいんだ。落ち着いて」

そうか、お前、おとなになったな。

「バーカバーカお前の尻なんかに入れるかっ」 
「兄貴とやれるなら5秒で脱ぎますっ。直腸も綺麗にしてきます」 
「オレもオレも」
「兄貴、せっかくなら、みんな仲良く楽しく幸せになったほうがいいですよね!」
「兄貴のMINI珍でみんな幸せに!」

・・・まあ、楽しそうではある、うん。




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