たまには舎弟サービスを


「兄貴!すいません、今日ヒーター壊れてるんすよ!」 

朝のニュースでこの冬一番の寒さだって言ってたのに、
じゃあ今日はもう帰ろう、
そういうのはひ弱なオタクの発想。

「寒いから、古典的な方法であったまりましょう」

はいはい、こうくると思いましたよ。
なんですか、おしくらまんじゅう?
あれ?

「お前達、なに服脱いでるんじゃ?相撲でも取るのか?」
「あにきの、燃えるように熱いのを入れて頂こうと思って」

ええええええええーーーーー!?
しかも拓くん、狂介くん、マスクくん、正則くんまで、みんななの!?

「お前らになんか入れるかっ!」

当惑するボクの前に火讐くんがさっと進み出てかばってくれる。

「兄貴にやらせるくらいなら、オレがやる!」

なんでそうなるの!

「さ、尻出しやがれ」 
「かかかかかしゅう!」
「兄貴は黙って見ててください。どうした、出さないのか!?」

火讐くんの迫力に強面の彼らの腰も引けている。
そんな中、
 
「あ、あの・・・かしゅうさん・・・」

おすおずとすすみ出てきたのは火讐くんの舎弟のドレッドくん。
相方のロンゲくんは彼の肩のあたりにひっついて止めたそう。

「オレ、火讐さんになら・・・」 
「入れて欲しいのか!?」

そんなに力強く聞くことじゃないでしょ。
ほら、舎弟くんも答えづらそうじゃない。
きっとこの機会を逃しちゃいけないと、心の準備も整わないまま名乗りでちゃったんだよ。
察して上げなよ。

「・・・そんな、欲しいなんて・・・」
「欲しくないのか」
「う・・・」
「どっちなんだ。男ならはっきりしやがれ!」

火讐くんかっこいい!!
て、感心してる場合じゃなかった。

「だめじゃ、火讐、オイが許さん!」

放っておくとどこまでも突っ走っちゃうからね、このへんで止めないと。

「お前の体は髪の毛の先までオイのもんじゃからな!」 

ひさしぶりの兄貴モードに火讐くんの顔があっけなくゆるんだ。

「わかりやした!」

そしてカケラの慈悲もなく告げる。

「悪いな、お前ら」

「えーーー」 
「お前ら勝手にやってろ。オレは兄貴をあっためてさしあげるから」
「きぃぃぃぃぃ!」

ロンゲくんはほっとしたみたいだけど、
ドレッドくんは髪をかきむしって悔しがってる。
かわいそうだけど、ボクの恋人に愛のないセックスはさせられません。

「つっこんでもらう側でも良かったんだ!もう!」

そんな叫びには耳を貸さず、火讐くんはさっそくボクのズボンを引っ張り下ろしている。
て、やることになってるんだ、やっぱり。ここ部室だよ。
寒いならさっさと帰ったらいいでしょどう考えても。

「ああ、兄貴・・・こんなに冷たくなって・・・」
「わぁ!あにきの、かわいい!」
「見るな!」 

君たち、まだいたんだ!

「寒いからだ!いつもはもうちょっとおっきいんだ!もうちょっとだけ!」 

もうちょっとだけとか言わないで(泣)

「お前ら、これが本当の兄貴だと思うなよっ」

力説はいいから、それより追っ払って、もしくはやめて。

「じゃあ、いただきます」
「わ!火讐さんのフェ○テクが見れる!」

目を輝かせ、生唾を飲んで見守る舎弟くんたち。

「まずは舌だけでさきっちょをこう・・・」

解説までして、火讐くんって意外に舎弟に優しいんだ。
て、ばか!!!!!
しかも紋武くんに教えてもらったくせに!ばかばか!

「な?おっきくなったろ?」
「はい。すこしだけですね!」

返事が良すぎるよ。

「で、咥えてからこう、上目遣いに・・・」 
「こりゃたまらん!」 
「この時点でオレならアウトっすよ!さすが兄貴」
「はむはむ・・・はぁ、あにきの、すごい・・・」
「火讐、手がお留守になってるぞ」

いつのまにか舎弟くんたちの背後で紋武くんが見物していた。
どうやら、火讐くんのテクニックをチェックしていたらしい。
自分が教えたこと守ってるか気になったんだ。悔しい!

「あ、いけね」
「しっかりしろよ」
「見てるくらいなら助けろよ」 
「じゃあオレは乳首でも責めるか」 

3P!?


「これは豪華だ!」

ますます喜ぶ舎弟くんたち。
火讐くんはチュウチュウって感じだけど、紋武くんはグリグリと執拗でいやらしくて・・・上手いっ・・・だめっ。

「兄貴、出していいっすよ」

いやいやと首を振るボクを無視して、

「このまま口に出します?それとも顔にかけやす?」

なんて聞いてくる。なにこの羞恥プレイ。
 
「火讐さんの顔○見たいっっ」
「リクエストがありやしたよ。さあ」

舎弟くん・・・(怒)

「さあ」
「うう・・・」

ぎゅっと目をつぶって、ボクは自らを責め苦から解放した。

「随分派手に汚してくれましたね。髪についちまいました・・・」

冷たい声にぞくりとしておそるおそる目を開ける。
目をつぶったのが悪かった。右のほっぺと、髪に確かに付着している。

「どうしてくれるんですか」
「自分が出せって・・・」
「顔って言ったんです。髪にとは言ってません。責任とって下さい」

意地悪っっ。似合うけど。

「どうすれば・・・」
「決まってるでしょう!
もっと兄貴の精○かけてめちゃめちゃにするんです!全身あますところなく!」

なにそれーーーーー!

「まずは腹の中に!」
「ついに本番が見れるぜ!」
「だ、だめじゃ、人前でっ」
「オレはいいんです」
「だめだ。お前のかわいい顔はオイしか見ちゃいかんのだ」
 
今回はSだのMだの忙しいなあ。

「ふたりっきりになったらうんと可愛がってやる」
「あにき・・・」

良かった。火讐くんがおばかな子で。

舎弟くんたち、ブーブー言ってたけど、
「火讐さんのフ○ラと○射見られただけでもほくほく」と言って帰っていく。 

「いやー、いいもん見たわ。オレ半年はオカズにできそ」

「ずいぶん舎弟サービスがいいんだね」

皮肉で言ってやったらけろっとして、

「あいつらには苦労かけてますからね」

だって。

「兄貴だってまんざらじゃないくせに」
「どういう意味?」
「兄貴、どうしてもイヤなときにはたたないでしょう」

う、それじゃボクがこういうの大好きな変態みたいじゃない・・・。
マゾっけがあるのは認めるけど、それも火讐くんのせいだよ。

「オレも興奮しちまいました」

帰って続きやりやしょう、という提案に泣かせてやるから覚えてろ、
と強気に返す。
手を繋いで帰ろうとして、紋武くんのことを思い出した。
彼だけなにも得してない。
まあ、よくあること、かな。





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