ぬこプレイ?


「兄貴、今日はコスプレはしないんすか?」

ちょっと、それじゃいつもやってるみたいじゃない。

「いくらオタクだからって普通はしません」
「ほら、ネコミミとか」

う、思い出させないでよ。

「オレ、猫になった兄貴見たいっす」
「火讐くん、猫嫌いなのかと思ってたけど」
「嫌いじゃないすよ。肉球押すの気持ちいいですし」
「そう!?うれしい!あれ、気持ちいいよね。ぷにぷにして遊ぶと」
「兄貴に肉球ついてたらいいのに」

ボクをなんだと思ってるの。

「かわいい兄貴にかわいいものがついてたら無敵っす」

火讐くんて、意外と子犬とか子猫にきゅーんてなっちゃうタイプなのかも。
そんな火讐くんかわいい。
かわいいけど、仮にも兄貴に向かってかわいいって・・・。
なんて考えている暇なんかない。

「あ、肉球発見」

そう言って、ほんとうにとんでもないところに手を伸ばしてくるんだから。

「それは違う!」
「肉球じゃないすか!間違いなく」

ごく真面目な顔でそれを握り締める。
ほんとにこの子は!この子は!

「オレ肉球押すの好きなんす・・・」
「やめてっ」
「ぷにぷにぷにぷに・・・」
「うう・・・ひどい・・・」
「そんなこといってこっちはよろこんでますよ」
「さいていなシモネタだよっっ」

でも火讐くんが心から楽しそうだから。
好きにさせてもいいや、って思っちゃう。

「首輪をつけてペットにしたいくらいかわいいですよ」

耳元で囁く低めの声にきゅんきゅんする。

「もう」

ぎゅっと首にしがみついてキスをねだる。
すこしも惜しまずボクの要求に答えてくれるいとおしい体。

「どっちが兄貴でどっちが舎弟かわかんない」
「そうですね」
「わかんないけど、幸せ」
「オレも幸せ」

ああ、幸せ。




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